1/100を勝ち取った受講生の数十秒間

先週、2015年に最も思いを込めた研修の1つが終了した。

精鋭100人を6ヶ月間かけて鍛えあげるハンドレッド研修である。

その100人を徹底的に鍛え上げ、最終回の6ヶ月目にさらに16人に絞り込む。

その中から3人を表彰し、それはトップガン表彰と名付けた。

トム・クルーズ主演の精鋭パイロット映画になぞらえてだ。

見事1位を取得したのは、正社員を目指す契約社員J君であった。

ほとんどが正社員の中、契約社員の彼はポジション的には1歩劣る。

だからこそ悲壮の覚悟を以って、正社員を勝ち取るつもりで研修に望んでいた。

実力も人望も十分。あとは運だけが必要な男だった。

その彼が、1位の栄冠を手にした。

実力と運を勝ち取っての1位だ。

大勢の中で、1位受賞のコメントの際、マイクを手にした彼は、

すぐさま感謝の意を述べた。次の句に移ろうとした

時に、「ちょっと、すいません・・・」といい、言葉に詰まってしまった。

本人が感極まる時間、わずか数十秒。

どれほどの努力を積み重ねたのであろうか、他人には想像もつくまい。

でもそれは伝わる。彼の努力を知る人間は、あふれる涙を抑えきれなかった。

大勢を前に立つ私は涙など見せられない。

けれどもその数十秒の中に、彼の努力を思うと、

胸に去来するものが溢れだし、胸が詰まってしまった。

あの数十秒は何だったのだろう。

Facebookで大げさな自己アピールを書くでもない、

本当の実力を支えた確実かつ膨大な努力が、

私の胸に迫ってきたのだ。

そんな感動的なシーンに携われた私は本当に幸せで

講師冥利に尽きると思う。

これからも彼の成功に貢献しながら、

彼に続く人材を輩出することに最大限の貢献をしていこう。

そんなことを痛切に思った。

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